【農業日記】5月第4週 ~菌ちゃん的農法でレタス栽培~


厳冬期でお休みをいただいていた野菜セット、再開いたします。
(新規のお客様随時募集)

私が理想とするのは不耕起自然農と言い続けてきました。耕さない&持ち込まず(無投入)持ち出さず(最小限の収穫物以外は土壌に還元)の精神。土壌という多種多様な生き物の世界を耕して壊すことなく、土壌微生物の協業により自らの力で豊かになっていく。生き物に優しく、ゆったりと自然のペースで生育する、穏やかな畑になります。

しかし営農は難しく、多くの先輩方が挑戦し、撤退してきた方法であります。
ならば自然農の精神をいかに営農に取り入れることができるか。
まず、不耕起は可能(耕さねば良い)。でも営農で大量に収穫物を持ち出すのだから相応の物質を補うのをどのような方法で行うか?

今家庭菜園フリークの間で注目されている「菌ちゃん農法」。窒素成分を定量的に投入するのではなく、炭素成分を多く含んだ固いもの(剪定枝や竹など)を「菌たち」の餌として投入し、窒素の他さまざまな栄養素を合成する菌類の働きで土壌を豊かにしていく農法です。

今回のサニーレタスは菌ちゃん的農法を取り入れた、その初めての成果です。たくさんの剪定枝から作られた自然発酵の堆肥を不耕起の畝上に厚く敷き、草対策のポリマルチを使わないで栽培しました。(菌ちゃん農法では初期にポリマルチを使う)。あきらかにこれまでとは違うスッキリと健康に育ちました。

近隣の建設業の方が数年寝かして堆肥化した粉砕剪定枝。

軽トラで運び、畝の表層に散布。タイヤで踏んでしまった部分はあとで修正。

斜面に茂ったカヤを刈りとって収集。

この便利な切断農具の名は「飼葉切り、押切り」。文字通り馬の餌になる草を短く切る道具。本当によくできた道具で、鋭い切刃が横にスライドする機構を持ち、ちょうど料理人が包丁を引いて切るような動作で軽い力でサクサクと硬い草も切断していきます。
長いカヤの穂や葉を短く切って散布しやすくします。

2月中旬に播種したサニーレタスを3月終わりに植え付け。
 

雑草に埋もれることなく、健全に育ちました。

その後、3月中旬種まき4月中旬に植えたものは、春の雑草の生育に負けて、草に埋もれてしまい失敗。この時期にはポリマルチで防草したほうが良さそう。でも初夏の高温になる時期で、葉物野菜の痛みがどうなるかは課題。