【農業日記】令和4年度の米作り報告


総括

田植え前後に降水量が極端に少ない年でしたが、
地域の方々に支えられ、無事収穫の時期を迎えました。
今年のお米の食味値は85点(70で普通、80で良、85以上が極良)
コシヒカリらしい甘みがありモチモチ食感の美味しいお米ができました。

今年の稲作の経過

【雨が降らない5月】
今年の広島は、ほとんど雨の降らない5月となりました。
代かき・田植え・除草と、水が多量に必要となる時期に山水を水源とする水路には水がほとんどなく、知り合いの有機農家は半分の水田で田植えをあきらめたとのことで、状況は非常に深刻でした。

【田植え:5月18日】
当農園では、いざという時のために地域で管理している溜め池の水を放水していただき、無事代かきと田植えを終えることができました。

 

【6月。除草】

幸運にもタイミングよく雨が降り、基本的な除草(田植え後、1週間おきに3度)を終えることができました。

【6月・7月。雨が少なかった成長期は井戸水で対応】
今年の広島は梅雨入りが極めて遅く、水が足りないときは緊急的に井戸水をくみ上げ、3か月後の収穫まで見守り続けました。

【8月。出穂、登熟】
基本除草が効果を奏し、稲が雑草に負けてしまうことなく成長してくれました。

【9月15日。稲刈り】
予定日前後の天気が不安定でにわか雨が多く気をもみましたが、気持ちを入れ替えて好天を待ち、秋晴れの日の稲刈りができました。

【9月21日。出荷開始】
乾燥調製、袋詰めが完了し、ご予約いただいたお客様への発送を開始。
農協へ依頼した食味診断の結果は食味値85点!(70で普通、80で良、85以上が極良)
今年も美味しいお米になっています。


ユニティ自然農園の米作りについて

(無農薬・無化学肥料。自家採種たねもみ。機械を効率よく使っています)


初心者から始めた米作りも今年で7年目。
毎年の基本的な作業をこなしつつ、少しづつレベルアップに取り組んでいます。

▷無肥料栽培相当。
田んぼでの稲作は、水路から入ってくる水に含まれる栄養分があるため肥料を全く入れなくてもある程度の収穫を得ることが出来ます。肥料を入れると収量は増えますが、入れ過ぎると稲の病気の原因になったり食味が落ちたりします。
ユニティ自然農園では収量を増やす目的の肥料は入れず、収穫で田んぼから持ち出してしまう米ぬかやモミガラを還元しています。

 

▷種もみは自家採種
秋の収穫の時に翌年の種もみを取り分けておきます。
(病気の発生など必要が生じた場合のみ育種農家の種もみに更新します。)

▷自家製育苗土
無肥料の土に自家製ボカシと自家製燻炭を配合した自家製育苗土を使用。

 

▷育苗はプールで

毎日井戸水が使える家屋の近くにプールを作り苗を育てています。
昔ながらの米作りでは水田の一部で苗を育てるのですが、私の地域は4月の育苗時期に水路に水を流さないため水田では育苗が出来ないためです。
家の近くなので細かい温度調整が出来るなど、目が行き届くメリットもあります。

▷水質に恵まれた水田。4枚で面積は5反
縁あって貸していただいた水田は、平地のような長方形ではないものの1枚当たり1.2~1.5反くらいの面積があり、場所が1ヵ所にまとまっているので機械が使いやすい。
水路の水はブナの原生林の中にあるため池から引かれており栄養豊富。お米の美味しさの理由はこれだと思います。

 

▷田植え機は地域共用
地域で共同購入した田植え機を使用。大型のため姿勢が安定し綺麗な田植えができて助かっています。苗を運ぶスライダーもついていて重い苗箱の積載作業も楽。

▷田植え機を改造した除草機を使用
以前は昔ながらの手押しの除草機「田車」を使っていました。しかし除草が必要な5~6月は夏野菜の作業と重なるため、効率良い除草方法を模索しました。古い田植え機を改造した針金で土を引っ掻いて雑草を浮かせる除草機を使用しています。

▷稲刈りはコンバイン。乾燥機で適切な水分量へ

稲刈りと乾燥は重労働です。昔のように大家族が総出の稲刈りはぜ干しが出来なくなった現在、稲作を支えているのは良く出来た機械。
適期の稲刈りと電子制御で適切な水分量に乾燥したお米は、安定した美味しさを実現しています。
(大家さんが使わなくなった機械を有難く使わせていただいています。)