今冬はキャベツが良く育ちました。
結球がいまいちだった株も、時間をかけてゆっくり育ち1kg近くまでに。
それらを2度目の寒波が来る前に一気に収穫。
見た目きれいなものも、数枚外側の葉を剥いでみると・・・
黒い斑点がでているものがあります。
これは病気ではなく(気になるならその部分を取り除いて)食べても問題ないのですが、見た目難ありのため販売しにくい悩ましい現象です。
研究情報によると、原因は、水分の凍結と急解凍により細胞が壊れたため。
解決方法は見つかっておらず、凍結温度にならないようにビニールトンネルで保温したり、凍結する前に収穫してしまうという対策となります。
できるだけの対策をしながら、発生してしまったものについては軽微で物理的な問題なので全部を廃棄せず、お客様に情報を伝えて食べていただくのが良いのではないかと思います。
(ユニティ自然農園ではラベルシールに注意書きをして安値で販売しています)
出典)農研機構 http://www.naro.affrc.go.jp/org/narc/seika/kanto22/06/22_06_25.html
冬どりキャベツに発生する内部黒変症状の発生要因
[要約]
冬どりキャベツに発生する内部黒変症状は、結球内部の水滴の氷結がキャベツ葉内の凍結を促進することと、凍結後の急速な解凍が原因で発生する凍害壊死斑である。
[担当]群馬農技
[成果の内容・特徴]
- 2月上旬に、結球したキャベツの外葉を剥ぐと、結球内部の葉の表面に水滴が氷結した多数の氷塊が認められる。氷塊は、気温の上昇とともに水滴に変化するが、葉の表面には変色した跡が残る(図1)。氷塊の跡は、内部黒変症状の発生部位(図1)に類似している。
- 黒変症状発生部位からは、キャベツの病原菌は検出されない。
- キャベツ株の、葉表面にスプレーで水滴を噴霧し、その後-5℃の低温下で水滴を氷結(植氷)させた後、一定時間経過後に20℃の室内で急速に解凍すると、キャベツ株は、15分間の低温遭遇で葉に壊死斑が形成される。植氷なしでは、60分間の低温遭遇でも壊死斑は形成されない(表1)。また、壊死斑の形成には品種間差が認められる(表1)。
- 植氷後に、一定時間経過後に、0℃で6時間、次いで5℃で18時間、さらに20℃で48時間と緩やかに解凍したキャベツ株は、60分間の低温遭遇後でも葉に壊死斑は形成されない(表2)。
キャベツ結球葉の部位別温度推移は、内部黒変症状の発生が多く見られる結球葉の3枚目で、日中急激に温度が上昇し、日変化が最も大きいことが観察される。
[具体的データ]
図1 キャベツ結球内部の氷結(左)と黒変症状(右)