開園に向けて、どうしても気になることがありました。
それは現在の圃場の状態で、野菜が生育するだけの肥料分があるかどうか。
できれば、奇跡のリンゴの木村秋則氏が提唱する自然栽培のように、無肥料で栽培をしたい。
けれども自然栽培に挑戦している方のブログ等を見ると、成功しているところは、もともと地力のある畑か肥料分を必要としない作物の場合で、それ以外では収穫がほとんど得られないのが実情のようです。
JAの土壌診断ではユニティ自然農園の畑は「肥料分ミネラル不足」。
また、結球するためには多量の窒素分を必要とするキャベツや、大きな株に成長させる必要があるブロッコリーやカリフラワーも栽培したい。
窒素分を土壌に供給するために初年度は緑肥栽培をする方法もありますが、緑肥を育てるにも肥料分が必要。
1年に一度だけの春夏野菜の栽培経験が得られない状況は避けたい。
それで、昨年10月に蒔いた緑肥が育たなかった西側半分に、確実に効果のある発酵鶏糞を入れることにしました。
施用したのは三原の採卵鶏の養鶏場「久井ポートリー」の発酵鶏糞です。
(研修先の農家で採用していたもの。採卵鶏は肉用鶏とは違い健康管理に気をつけて育てられているため鶏糞も良質とのこと。3月4日入手)
また、東側のブロックは。緑肥が育っているので鶏糞は入れず、カルシウムを補充するための卵殻だけを投入。
卵殻も上記の養鶏会社のものです。
これで肥料的には栽培可能な状態に近づいていると思います。
木村秋則氏の自然栽培では、種以外のものを圃場に持ち込まないことを大原則としています。
自然栽培には「肥毒」という概念があり肥料は入れてはならないと言われています。
たしかに水はけの悪い畑の場合、深いところは酸欠になるため肥料分が腐敗していると考えられます。
しかし、畑から微量要素も大量に持ち出す葉物野菜栽培の場合、肥料を入れずに永続的な栽培ができるかどうか。
それは自然栽培の概念の中にある「無から生み出されるフリーエネルギー」の仕組みをどのようにして創り出せるかにかかっています。
近い将来きっと分かると思い、まずは実績のある肥料をいれることで、栽培の技術を身につける方針で進みます。