村岡です。
もう10年以上家庭菜園をしてきました。
川口由一氏の提唱する「自然農」。
その最大の特徴は、畑の生き物を傷付けないために畑を耕さない「不耕起」農法。
土の中では植物の根が、生き物が安心して暮らせる世界。次第に土が豊かになるので、肥料を施す必要はなく、土の力だけで作物を育てることができる。そして出来た作物を有り難くいただく。
雑草は、作物を助けるために刈ってそこに置くだけ。
とても美しく平和な感じがします。事実、自然農の畑は平和で、とても穏やかです。
でも10年以上やりましたが収穫はちょぼちょぼ。豊かにならない。
ようやくその理由が分かったような気がします。
自然農は、そこにある物質が循環しているので、基本的に、もともとあった養分で出来る以上の作物は出来ない。通常、何らかのものを持ち出すのだから、減損していくのみ。
有機農家で研修を受けて分かったのが、十分な土の力(畑の中で作物や雑草が充分に繁茂するだけの養分の量と、それを循環させる豊かな生物相)が必要だ、ということです。
ある面、当たりまえですが、自然農の美しい思想に憧れて、現実を理解していませんでした。
では、作物を栽培するために十分な土の力をどのようにして養うか?
土中の微生物が増えて生物相が豊かになるためにどうするか。
有機農法だと動物性の堆肥、植物性の堆肥、米ぬか、鶏糞、貝殻、卵の殻などなど、さまざまな物質を畑に入れることで、土を肥やしていきます。他にも、マメ科の作物や、緑肥と言われる作物で土を肥やしていく方法もあるそうです。
とにかく初めにするべきことは、畑の生き物たちが増えるように、彼らにたくさんの「餌」をあげる。
研修先農家で習ったのが「米ぬかボカシ」。
醤油かす(醤油を仕込んだ後の絞りかす)や油かす(菜種油の絞りかす)を加えると肥料効果が大なのですが、それらを調達できるまで待ちきれなくて、あるもんで作りました。
米ぬかに糖蜜まぜてEM菌を種付けして培養。
畑に入れると植物残渣を上手に分解して、土を肥やしてくれるはずです。