結論「天皇に招かれた客人が天皇に手紙を渡したぐらいで、議員辞職させられたりしたら、日本てどんな民主国家かよと、世界中で笑いものになるのがわからないのか。」に納得です。
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転載元)八木啓代のひとりごと 2013/11/3
一夜明けても、Twitterのタイムラインが山本太郎ネタで埋め尽くされているので、ブログでちょっとコメント。
(中略)
そもそも、この「事件」って、山本太郎が、園遊会で天皇陛下に手紙を渡したってだけのことでしょう。墨字で書いたりして、パフォーマンスとしては、率直に言って、時代錯誤的でイマイチだなあだと思いましたが、しょせん、お手紙を渡したというだけのことです。
直訴というのは、(まあ、この言葉は昨日のブログでネタとして使っていますが)、日本の中世・近世に、一般民衆が、公式的な手続きを行わず、直接将軍や幕閣、天皇などに訴状を渡す行為であって、そもそも、訴状じゃないんですから、直訴ではありません。
また、これに請願法を持ち出して、とやかく叩いている阿呆がいるようですが、請願というのは、これまた、「国民が国政に対する要望を述べること」です。
請願法において、天皇に対する請願書は、内閣にこれを提出しなければならない、というのは、単に、現憲法下では天皇は象徴としての意味しかないので、した がって、国政に関与する要望を出されても何もできないので、国政に関与する立法府なり行政府がこれを取り扱うという意味にしか過ぎません。
しかし、山本太郎氏が天皇に出したのは、そもそも、請願かというと、違うでしょう。おそらく、天皇にあれをしてくれ、こうしてくれ、だれぞを罷免にしろとか、その手の国政に対する要望や政治的対応を求めたわけではないのですから、請願ですらありません。
であれば、単なる私信にしか過ぎないわけで、請願法すら関係ないわけです。
(もっとも、たとえ請願だったとしても、請願は、憲法第16条で国民の権利として保障されており、何の罰則もありません)
園遊会に招かれてもいないのに、突撃してSPをはじき飛ばして、天皇をむりやり拉致したとか、渡した手紙にカミソリとか炭疽菌を入れていたとかいうなら話 は別ですが、要するに、天皇によって園遊会に正式に招待されている山本太郎が、天皇にお手紙を渡し、天皇はそれを受け取った、というだけの話です。
こんなもんに処分をだとか議員辞職をだとか騒いでいる人たちは、いったい、どういう頭をしているのでしょうか。
天皇の政治利用というなら、安倍晋三が「主権回復の日」を強引に実施し、渋る宮内庁を無理矢理ねじ伏せて、「天皇陛下万歳」三唱なんかやる方が、よほど政治利用でしょうし、オリンピック誘致に皇族を利用するのも、政治利用でしょう。
つーか、天皇に招かれた客人が天皇に手紙を渡したぐらいで、議員辞職させられたりしたら、日本てどんな民主国家かよと、世界中で笑いものになるのがわからないのか。そんなことが、どれほど、日本と天皇陛下のイメージを傷つけるかすら、想像できないのでしょうね。
そういうのを、おそらく一番、望まれないのが、当の今上天皇でいらっしゃることでしょう。