4号機プールの冷却装置作動せず


村岡です。

今日、カレイドスコープに、

4号機プールが冷温停止、別系統の冷却装置も作動せず

という記事が出ていました。要警戒の状態です。循環系での冷却が回復しなければ「きりん」で冷却水の注水という手段が講じられることになるかもしれません。

4号機使用済み核燃料プールの問題では、
1)燃料の冷却不良
2)プールの水が抜ける
3)プールが倒壊する
のどの状態で燃料の火災が起きるかの認識が、「政府東電」と「4号機に危機感を持っている人」で違うように思います。

政府東電は、「解析の結果、地震が起きてもプールは倒壊しないから大丈夫」「水が抜けても学者(報道ステーション5月25日放送参照)の方がいうように火災は起きない」という論拠に立っていて、だから「水が抜けて火災が起こったら想定外、倒壊しても想定外、対策として今後解析の精度を上げます」となります。

2)の状態で火災が起きるかどうかは、高い精度のシミュレーションができるはずです。

>>〔世界の破局・4号機核燃プール〕★★★★★ スイスのシステム解析企業が「フクイチSFP4」のリスクを分析し、国際社会に対し、4項目の緊急提言!

政府はこの提言を即刻受け入れるべきだと思います。

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【参考映像】「報道ステーション」(5月25日放送分)

http://www.youtube.com/watch?v=jOEkyTPLWzA

【参考映像の文字起こし】
「4号機は大丈夫か」佐野眞一氏5/25報道ステーション(動画・内容書き出し)

転載元から抜粋)みんな楽しくHappy♡がいい♪

燃料棒がメルトダウンしてしまうのかどうかは重要な問題だ。そこで番組では独自に解析を依頼した。
熱工学が専門の東北大学圓山重直教授。4号機の核燃料が現在出している熱量や、燃料棒の内部構造などのデータを使って水がなくなった場合どの位まで温度が上がるのか計算してもらった。
圓山重直教授:空気がきちんと(燃料棒の隙間を)抜けて流れてくれるという仮定を計算しますと、一番温度の高い燃料棒の上端で、せいぜい140℃ぐらいの温度にしかならない。
意外にも140度程度にしか温度が上がらないというのだ。
圓山:空気で冷やされるからですね、(温度が)一定以上になると、空気の流れと放熱がバランスしますので、それ以上は温度が上がらない。
圓山教授によると、燃料プールから水がなくなった場合、空気が燃料棒の隙間を流れ、熱を奪って上昇していくという。4号機の燃料プールは現在屋根が無い状態。このため熱は内部にこもらずに外に放出され続ける。加えて一年以上水で冷やされていた事で、使用済み燃料の発熱量も下がってきているのだという。
番組では他に二つの機関に同じ依頼をしたが、100℃から300℃程度の温度上昇にとどまるという予測だった。

MIT原子力理工学部による「最悪のシナリオ」予測に関するコメントと解説

転載元)http://d.hatena.ne.jp/arc_at_dmz/20110319/on_worst_scenarios

炉心溶融(メルトダウン)という言葉はジルコニウム合金の被覆管及び酸化ウラン(もしくは3号炉の場合には混合酸化物=MOX)の溶融を示します。これらの2つの構造体は核分裂生成物放出に対する最初の2つの防壁であって、放射性核分裂生成物は通常、燃料ペレット内部の固体、燃料ペレット内部の気体、ペレットから放出されたものの被覆管内部にとどまっている気体、のいずれかの形態で存在します。
原子炉が停止された場合、これらの核分裂生成物は崩壊を続け、熱を生成し続けます。この熱の量は最初、初期レートの 7%となりますが、熱を放出する同位体が崩壊するに従って減少します。もし崩壊熱が冷却水によって除去されなければ、燃料及び被覆管は加熱していきます。
1200℃を超える温度では、ジルコニウム合金の被覆管で絶えず起きている腐食反応が劇的に加速してしまいます。この反応による生成物には、酸化ジルコニウム、水素、熱が含まれます。この熱は、腐食反応を加速させるほか、燃料棒の冷却を妨げます。この反応は自己触媒的に進むため、通常、安全系は被覆管の温度が1200℃に達しないよう大きく余裕を持って作動します。
しかし、スリーマイルアイランド事故のように、各種の障害により、これらの冷却手段が取れない場合、燃料棒は過熱して酸化ウランの融点、 2400-2860℃に達してしまいます。この時点で燃料棒はくずれはじめます。燃料棒が液状化してしまうと、崩れながら、したたり、炉心溶融物(溶けた燃料被覆管、燃料ペレット、構造体の混合物)として圧力容器内底部に溜まります。この時点で溶けかかっている燃料や金属被覆に冷却水がかかった場合には、固まるか、破壊されるかして、圧力容器底部に落ちていきます。
同様の状況が使用済み核燃料プールの水冷が行われない場合におこります。しかし、進行速度は(圧力容器内で起こるよりも)遅いものとなります。