今年の春、3月4月は晴れ続きで暑いぐらいと思えば、雪が降ったりと、作物を育てるのに悩ましい天気が続いています。
でも例年、寒暖雨晴の振れ幅がすごく大きくても平均すると帳尻があった天候のようです。
ということで、去年から1日遅れの今日4月4日、平成30年の米作りスタートです。
今年も自家採種の「コシヒカリ」。
今日するのは、種蒔きの前に種籾を発芽直前まで持っていく3つの作業。
- 塩水選(えんすいせん)
塩水に種を入れたときに沈む充実した種籾と、浮く中身が少ない種籾に分ける。 - 温湯消毒(おんとうしょうどく)
種籾を60℃のお湯に10分間浸して、種籾に付着している可能性のある病原菌を消毒する。 - 浸種(しんしゅ)
種籾を積算温度で約100℃・日となるまで水に浸けて、発芽を促す。
(100℃・日:水温が10℃なら10日間、15℃なら7日間)
1.塩水選
今年の種籾は、去年収穫した籾の一部を種用に保存したおいた自家採種種籾(10kg)です。
まず、塩水を用意します
(10リットルの水に塩 2.52.2kg。比重1.13)。
普段は絶対使わない大量の塩を溶かします。
過去3年、塩が解けなくて四苦八苦しましたが、なんてことはない簡単でした。
「塩は水の温度が高くても低くても溶ける量は変わらない」
という小学生でも知ってる理科の知識。
出典)塩百科
要するに温度にかかわらず10リットルの水に2.7kgまで溶けるのだから、水温は気にせずに塩を全部入れて丁寧にかき混ぜればいい、ということ。
やってみると1分もかからずに塩はきれいに溶けきりました。
↓生卵がこのくらい浮く濃さ。めちゃ塩辛いのはすでに経験済み。
浮いた軽い種もみをすくい取ります。
自家採種は良品率78%(去年は自家採取種は82%、農協の種は66%)
Not Bad。
↓浮いた種1.5kgと、合計5.5kgの種
2)温湯消毒(おんとうしょうどく)
塩水選が終わったら休憩なしにすぐに続けて温湯消毒。
理由)塩水選開始から温湯消毒開始までの時間が1時間以内が望ましい。」農研機構
吸水が進んだ状態で温湯消毒を行うと、胚の発芽に関係する酵素による代謝が阻害され、発芽勢や苗立率が低下すると考えられる。
http://www.naro.affrc.go.jp/karc/prefectural_results/suiden/028866.html
毎年恒例、台所の湯沸かし器を使います。
↓60℃のお湯を入れて種籾を浸け、温度が下がってきたら75℃の差し湯をして調整。
10分漬けたら引き上げて、すぐに冷水で冷まします。
3)浸種(しんしゅ)
消毒が終わった種籾を水に浸しておく「浸種」をスタート。
温度が安定している床下に静置します。
(エアポンプでぶくぶくさせて酸素吸入)
今年の床下気温は12~15℃と昨年より高めなので、8日ほどで芽が動き始めそうです。
種蒔きは4月14日、田植えはそれから1ヶ月後のスケジュールです。
今、近隣の村の農事法人へ稲の苗づくりの仕事を手伝いに行っていますが、そこでは消毒を農薬で行っている以外、温度管理は全く同じでした(ただし量は莫大)。
あといくつか実験が必要なことがありますが、福富町の広い面積でお米の無農薬栽培して年間通してお届けできればと思っています。
年間購入(トータル80kg以上、上限なし)のご希望がありましたら、どうぞお知らせください。
ユニティ自然農園 村岡宏冶
メール:unf1@unity-design.jp
件名:お米の年間購入希望
去年までは新米を12月中にほぼ売り切ってきましたが、作付けを増やして、夏前までの期間でご希望時にお届けできるような仕組みを検討いたします。